英語を体系的に教えてしまうと学習者にとって何が悪いのか
教える側の人ってのは、きっちり勉強してきた頭のいい人達も多いと思います。
その知識を生かして何かを次の世代に伝えたい。
わかります。
英語の全体像はこんな風になっているんだよ。
語順にはまずこんな体系があって細かくこういう規則に分かれているんだよ。
なんとか詞はこんなにいっぱい種類があるんだよ。
どうたらこうたら。
はっきり言っておきます。
知るかそんなもん!
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教える側の都合で教えようとするな
貴様はもう勉強し理解して頭に入っているかもしれないが、こっちは真っ白でこれから英語というキャンバスに色を塗っていくんだ!
描かせろよ!
まずなんでもいいから見たまま思いつくまま絵を描いてみたいんだよ!
なんだよ間違ったっていいだろ!
描く前から筆の正しい持ち方講座、場面にあった色の選び方、構図の決め方・・・
うんざりだ!
英語を系統立てて教えるやり方はやめていただきたいんです。
そういう教え方の対象者は優秀で頭のいい人か、その細かい部分の一つ一つを既に理解している人なんです。
人も見ず街も見ず自然も見ず、いきなりこれ日本ですって衛星写真を見せられる
とにかくまず学習者にとって最も簡単で見慣れた光景から始めてください。
青い画用紙を見せてblue(ブルー)と発声させる。
青い車の写真を見せてblue car(ブルーカー)と発声させる。
簡単な例ですがこうやって少しづつ発展させていくわけです。
その時点でその人にとってもっともわかりやすいこと、なじみやすいことから始めていくべき。
簡単なイメージで覚えるのがとても大切で写真だって空想だっていい。
全人類におすすめの英語学習方法はたった一つ!単語はイメージで覚える
それに対していきなり概要から教えるとこうなります。
はーいこれから何々詞という分類を教えまーす。
Iは「私」という意味で何々格という名称でーす。
myは「私の」という意味で何々格と名づけられていまーす。
meは「私を」または「私に」でこれは何々格っていうんですよ・・・
いいかげんにしてください。
地獄です。
こんなことを永遠と教えられるのです。
あの場所では。
私たちが学びたいのは英語です。
英語をそのまま理解したい。
そしてその知識を活用して仕事や趣味に役立てたい。
感動して笑って泣きたい。
仕事にも趣味にもなんの役にも立たない専門用語が知りたいわけじゃないんです。
英語という不可思議な学問をやっているつもりはないんですよ。
何々詞や何々格なんて言葉が実際の英語の会話で出てきますか?
映画で出てきますか?
サイトや新聞ではどうですか?
こんな用語を覚える時間も脳みそももったいないです。
場面に合った文を読みゃあいいんです。書きゃあいいんです。聞きまくってしゃべりゃあいいんです。
そうしてとにかく英語そのものを直接覚えるほうが遥かに有意義です。
こんなことこれから英語を学ぶ人に対してやることじゃない。
教わる側すなわち学習者の立場に全然立っていないんですね。
教える側はよかれと思ってやっていても、教わる側にとっては無駄な困難になるんです。
英語は数学じゃない
- 英語を全体概要から教えてはならない。
- いきなり分類してはいけない。
- 最初から親近感がわき範囲が狭く学びやすい点から教えていく。
これでいいんです。
教える側の都合なんてくそくらえです。
わからないから学ぶのに、その教わり方ではわかりづらいしそもそもつまらなすぎるんですから。
そして最も末端のことから教えてそれが理解できてから、初めてその枠組みを教えればいいんです。(但しそれを教えるのは学習者にとってあきらかに知ったほうが良い内容に限ります)
必要な場合でも体系の上から教えるのでなく最も下の身近でわかりやすいところから教える。
体系立ては教える側の都合でしかない。
いいとこ取りでおもしろいところや興味の湧くところをつまんで教えていくべきなんです。
英語は数学と違います。
法則を覚えればいくらでも応用できる数学は規則が大事ですが、英語にそれを適用するべきではありません。
数学には数という無限の要素がありますが、英語は単語という血の通ったもので構成されルールで縛られていません。
まるで違うものなんです。
体系化され分類された項目を定められた順番に教えていく、こんなこともうやめましょう。
つまんないです。
体系なんてばらばらでもいい。
分類なんてどうでもいい。
身近なところから、英語って簡単なんだよと壁を取り払いましょう。
好奇心を育ててやりましょう。
では自分はどうしたらよいか
好きなこと好きなメディアから始めましょう。
本やラジオやテキストやサイトを選んでください。
自分のレベルにあっていて、分からない単語が1文に1個前後ぐらいなら最高です。
なじみのある語順が多いものにしましょう。
英語で語順が自然に理解できる理由、文法を学んではいけない主張
全部の単語の意味がわかっても何を言っているのかさっぱりわからない文もこれから出てきます。
そんな文ばかりだとやっていてなかなか身につかないですからね。
英語はいきなりできるもんじゃないです。
好きな音楽やサイトの一文を何かなとちょっと調べるなんてことの積み重ねでも、いつのまにか結構できるようになっているものなんです。
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